慢性腰痛による姿勢の悪化についての症例報告
①患者様の基本情報
年齢:80代
性別:女性
職業:専業主婦
症状:長年の腰痛により悪い姿勢が身についている
②来院のきっかけと悩み
最初は腰の痛みが我慢できる程度だったそうです。
しかし、少しずつ背中が丸くなってきました。
周囲の人からも「姿勢が悪くなった」と言われ、外に出るのが恥ずかしくなったそうです。
さらに、歩くのも遅くなり、転倒が怖くなってきたことが来院のきっかけでした。
ご家族も「このままだともっと動けなくなるのでは」と心配されていました。
来院時の一番のお悩みは、腰の痛みと姿勢の崩れでした。
同時に、家の中でも動きが億劫になってきたことが困りごとだったそうです。
無職の高齢女性にとって、生活の質が落ちることは深刻な問題です。
「もう年だから仕方がないのかな」という気持ちもあったとお話しされていました。
慢性腰痛とは?
腰の痛みがずっと続くことを「慢性腰痛」といいます。
多くの場合、長時間の姿勢や体の動かし方に原因があります。
例えば、猫背で座る、歩くときのバランスが悪いなどです。
そうした生活が続くと、筋肉がかたくなって疲れがたまりやすくなります。
その結果、同じ場所にばかり疲れが集中し、腰が痛くなるのです。
腰の痛みは、放っておくと姿勢にも悪い影響を与えます。
体のバランスがくずれて、さらに動きづらくなってしまいます。
③当院での施術内容
まず最初に、患者様の体全体のバランスをチェックしました。
姿勢が大きく崩れていたため、腰だけでなく背中や足にも負担が出ていました。
【筋肉と筋膜の柔軟性の改善】
固まった筋肉は血の流れが悪くなっています。
そこで、筋膜リリースで筋肉をゆっくりほぐしました。
ストレッチも取り入れて、全身の柔らかさを少しずつ戻していきました。
【関節と姿勢の矯正】
体を支える関節の動きも悪くなっていました。
無理のない範囲でゆっくりと関節の動きを広げました。
正しい姿勢を身につけるための調整も行いました。
【重心と機能の修正】
立ち上がるときにふらつきがありました。
そのため、日常の動作を見直しながらエクササイズを実施。
立つ・座る・歩くの動作を支える筋肉を鍛えました。
施術はすべてオーダーメイドです。
高齢の方でも無理なく受けられるように工夫しています。
1回ごとの変化を見ながら、段階的に進めていきました。
④施術後の経過
初回
初回の施術では、全身のこわばりが強く見られました。
特に腰まわりと背中がかたく、動くとすぐに疲れてしまう状態でした。
施術後は「少し体が軽くなった」とのご感想をいただきました。
3回目
3回目には、立ち上がり動作がスムーズになってきました。
まだ姿勢の改善までは届いていませんが、腰の重だるさは軽減。
ご本人も「歩くのが少し楽」と話されていました。
6回目
6回目になると、背中の丸まりが軽くなってきました。
人に会うときの不安も減って、外出の回数も増えてきたそうです。
「体が動きやすくなった」と笑顔が見られるようになりました。
2ヶ月後
日常生活の中で、イスからの立ち上がりがスムーズに。
お風呂掃除や料理も、少しずつ自分でできるように。
「できることが増えてきたのが嬉しい」と喜ばれていました。
現在
現在は、週1回の施術を続けています。
腰の痛みはほぼ感じなくなり、姿勢も良くなってきました。
ご家族からも「背筋が伸びてきた」と驚かれるほどです。
さらに、趣味だったガーデニングを再開されたそうです。
外に出る機会も増え、生活にハリが出てきました。
「もっと元気になりたい」と、前向きな気持ちを取り戻されています。
無職高齢者の共通の悩みとは
高齢になると、どうしても動く機会が減ります。
動かないことで筋力が落ち、痛みが出やすくなります。
無職で家にいる時間が長いと、姿勢もくずれがちです。
「もう年だから」とあきらめがちですが、
正しい方法でケアをすれば体は変わっていきます。
当院では、年齢に関係なく改善を目指しています。
体が変わると、気持ちも前向きになります。
それが、健康な生活への第一歩です。